トレーニングをしよう! トレーニングがしたい! という意志はあっても、トレーニングのための時間がなかなかつくれないというのが現状でしょう。
効果的に体力レベルをアップしたいところですが、無理をすれば、継続することがむずかしくなってしまいます。
多くの人が 「短時間で、時間帯を選ばずに行なえるトレーニングはないのか」 と考えているはずです。
そこでお届けするのがアイソメトリック・トレーニング。
一日10分の筋トレメニューで、基本的な体力レベルをアップさせましょう!
アイソメトリックとは
本格的な筋力トレーニングはさまざまなトレーニングがありますが、いずれも場所選びや特別な道具を必要とします。
それに対して、いつでもどこでもできる筋力トレーニングがアイソメトリック・トレーニングです。
アイソメトリックとは、等尺性運動のことで、これは、筋肉の長さを変えないで筋力を発揮することをいいます。
たとえば、壁や柱などのように動かないものを全力で押すとか、バスタオルなどのように伸び縮みしないものを引っ張ることで筋力トレーニングを行なうというものです。
この押したり引いたりする動作を約10秒~20秒行ないます。
筋肉は、全力で力を入れるとおよそ6秒で最大筋力を発揮するようになります。
その状態でさらに数秒間力を入れ続けることでハイパワーのトレーニングになるのです。
アイソメトリック・トレーニングの利点は、電車の吊革、オフィスの給湯室やデスクを利用してどんなところでもトレーニングすることができ、特別な用具がなくても行なえることです。
また、筋肉痛になりにくかったり、関節への負担が少ないのでトレーニング初心者でも簡単に始めることができます。
トレーニングを実施するにあたってのポイント
アイソメトリック・トレーニングを実施するにあたってのポイントは、鍛える部分の筋肉を意識しながら押したり引いたりすることです。
そして、力を出している間は、呼吸を止めないことに注意してください。ひとつの動作は、10秒間、全力で行ないます。
このときに全力だからといって呼吸を止めてしまったりしがちですが、それは禁物です。
かならず呼吸をしながら行ないましょう。
ひとつの種目を10秒間行ない、休憩を10秒間、そしてさらにもう10秒間行ないます。つまり1種目10秒間を2セット、インターバル10秒で行なうわけです。
脚部のトレーニングでは左右を行なう必要がありますが、すべて行なうと約10分間でトレーニングが完了します。
昼休みなどちょっとした時間を見つけて行なってください。
電車の吊革を利用して
上腕のトレーニング

片手で吊革を逆手で握り、もう片方の手で上腕を押さえます。吊革を自分の顔に近づけようと引っ張ります。上腕二頭筋のトレーニングです。
広背筋のトレーニング

両手でひとつずつ吊革を順手で握ります。ふたつ同時に肘を真下に降ろすように引っ張ります。このとき肩甲骨を狭めるように緊張させると効果が高まります。
肩のトレーニング・前

ふたつの吊革を順手で握り、お互いの吊革を近づけるように引きつけます。肩の筋肉(三角筋)の前の部分を緊張させるようにしてください。
肩のトレーニング・後ろ

ふたつの吊革を順手で握り、お互いの吊革を離すように外に押し広げ、肩の筋肉(三角筋)の後ろの部分を緊張させます。
胸、肩のトレーニング

ふたつの吊革を順手で握ります。左右片方ずつ前方に押していきます。身体でのしかかるのではなく、胸と肩の力で腕を前方へ伸ばしていき、筋肉を緊張させてください。
注)他の乗客の方の迷惑にならないようにしましょう。
オフィスや学校で
上腕二頭筋のトレーニング

椅子に座った状態で、手の平をデスクの下から当て、肘を動かさないようにデスクを持ち上げようとします。このとき、腕に力こぶができるように上腕二頭筋を緊張させます。
上腕三頭筋のトレーニング

手をデスクの上に置き、真下に押しつけます。
このとき、肘を伸ばさないで一定の長さを保つように気をつけてください。上腕の裏の部分、上腕三頭筋を緊張させるのです。
腹筋、大腿のトレーニング

椅子に座った状態で膝をデスクの下から当て、上に押し上げます。
本当に持ち上げるのではなく、腹筋や大腿の筋肉の緊張を保つようにします。両脚同時に、あるいは片方ずつに分けて行なっても良いでしょう。
大腿、臀部のトレーニング

中腰の状態でデスクの手前を持ちます。
脚を伸ばすように力を出します。ここでも本当に持ち上げるのではないことに注意してください。大腿と臀部の筋肉を緊張させるのです。
給湯室、台所で
大腿、臀部のトレーニング

シンクの手前の角をつかみます。足は肩幅ぐらい広げて、脚を伸ばそうと腰を後方へ引いてきます。大腿の裏、臀部、背筋をしっかりと緊張させてください。
胸部のトレーニング

引き出しの両端を挟むように手で押さえます。左右両方から引き出しを押しつけて胸の筋肉を緊張させていきます。
上腕のトレーニング

引き出しを下から押さえ、肘を動かさず力こぶをつくるように上腕を緊張させます。引き出しを上に持ち上げるように力を出します。引き出しの高さの違いを利用して、いろいろな力の出し方をトレーニングすることができます。
ふくらはぎのトレーニング

台所の引き出しやデスクの引き出しを半分開けて行ないます。中腰の状態で引き出しを下から押さえ、デスクを上に持ち上げるつもりで踵を上げてふくらはぎを緊張させます。