和紙を使ったスピーカーエッジの修理

オーディオ

ハードオフでエッジボロボロのスピーカーをゲット。

スピーカーエッジの補修といえば、通常セーム皮を使うことが多いのですが、ここはちょっとひねくれて和紙を使って補修を試みてみました。

ネット上で検索しても和紙を使って補修している人はあまり見かけませんが、昔は結構一般的だったようです。10年以上前のラジオ技術にも張り替えの記事が載っています。

メリットは「とにかく安い」「エッジの色がコーン紙と同系で自然」というところでしょうか。
セーム皮はあの色が気に入らないんですよね、サランネットの上からエッジだけ浮いて見えるし・・・

今回はついでにコーン紙の塗装という邪道も敢行しました。これで日焼に加え水濡れらしきシミがあったのが綺麗になりました。

材料

  • 和紙(適当に選択。私が買ったのは1m四方くらいで350円くらい。あまり薄いのはNG)
  • 木工用ボンド

和紙はクシャクシャにしてほぐしても破れない程度の厚さがあれば大丈夫でしょう。

ボンドはスピーカーコーンの素材によって換える必要があります。今回は紙コーンだったので木工用ボンドで大丈夫でしたがボンドG17のようなゴム系接着剤が必要になるケースもあります。

手順

エッジを綺麗に剥がす

ラッカー薄め液も一応用意しておいたんだけど使いませんでした。ウレタンエッジは指でこするようにすると綺麗に取れます。ただし終わった頃にはウレタンのカスで手がベトベトです。

墨汁で化粧直し

カーボンコーティングとかうそぶくといい感じです。

霧吹きを使って「薄くムラなく重ね塗り」の予定だったのですがうまくいかず、ティッシュにしみこませた墨汁をたたくように全面に塗っていきました。もともとのシミは完全に消えて、塗りムラも目立ちません。

結構厚手のコーン紙だったのが良かったのかも。どんなスピーカーでもうまくいくとは限りませんよ。

エッジ用に和紙を切り抜き

単純に直径ではなく、コーン紙中心(というかボイスコイル?)からの長さで考えます。

今回の場合コーン紙の傾斜具合が30度、コーン紙の直径が12cmくらいだったので、斜辺nセンチの三角形が2個と考えます。三平方の定理より

2:√3=n:12cmで
n=13.8cmだから半径はその半分で6.9cm

といったところでした。

こんな感じ

多少のズレはエッジを貼るときに修正できるので、あまり完璧さを求めなくても大丈夫です。

まずは和紙に半径6.9cmの円を描き、この内側に5~7mmほどののりしろを取ります。外周はあとでカットすればいいのでかなり適当におおきめに。

で、カットした直後が右側の綺麗な状態。鉛筆の線が中心から6.9cm部分です。この線に沿ってコーン紙の裏側から貼っていくので、鉛筆でしっかり線を付けておきます(和紙は柔らかいのでBか2Bくらいの柔らかめの鉛筆がおすすめ)。

切り取った和紙をくしゃくしゃに

何度か手で揉んで紙をほぐします。これが上の左の状態です。鉛筆の線が見えにくくなっているので、なぞっておいた方がいいでしょう。

コーン紙の裏側から貼り付け

鉛筆の線に沿って貼っていきます。最後に和紙のカットしてある部分同士を張り合わせてとりあえず一段落です。この重ねた部分が目立たないのもセーム革より優れたところです。
接着は紙コーンに紙エッジですから木工用ボンドを使用。ちょっと水で薄めて伸ばしたものを綿棒でコーン紙の端に塗っていき、そこに貼るようにエッジを付けるとうまくいきます。

エッジ外側を貼り付け

コーン紙をめいっぱい押し下げた状態で、たるまないように外側を貼っていきます。このときのコーン紙の押し下げ方が斜めだったりすると、ボイスコイルにこすったりしちゃうので、お椀などを使って全方向から均等に力がかかるように押し下げるのがポイントです。水平器とかあるといいかも。

完成

裏側からエッジを押して凸型に整形してできあがり。

全体図。セーム皮と違ってエッジの色が浮きません。


エッジ部分を接写。凸状になるよう裏側から軽くエッジをなぞっています。

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