【運転免許】自動車教習所の選び方

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これから、普通自動車運転免許を取得しようと思っている人の中で、運転免許試験場に直接試験を受けに行こうと思っている人はきっと少ないのではないでしょうか。

運転もしたことがないのに試験を受けても合格するわけがない、要領がよくわからない、合格基準が高すぎてとても無理だ、と、理由はいろいろあるでしょうが、過去に免許を持っていた人や腕に自信のある人は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

教習所に通うより、はるかに少ない出費と少ない時間で免許を手に入れられるかもしれません。

しかし、運転経験のない人は自動車教習所を利用したほうが賢明です。

学科試験はそれなりに勉強しておけば合格はそれほど難しくはありません。

しかし、技能試験は、安全で円滑な運転と、その上に交通法規を守っていなければなりません。

少しぐらい運転ができるからといって、簡単に合格するものではないのです。

もし、自信があり直接受けようとする人でも、多少はプロの指導を受けてからにした方がよいでしょう。 

自動車教習所の種類

「…自動車教習所」「…自動車学校」「…自動車練習所」「…ドライビングスクール」など、いろいろな名称が付けられていますが、どれも自動車教習所にかわりはありません。

ただし、この自動車教習所は公安委員会の指定を受けた「指定自動車教習所」と、指定を受けていない「指定外自動車教習所」の2種類に大きく分類されます。

この2種類にはいろいろな違いがありますが、決定的な違いとして「指定自動車教習所」を卒業すると運転免許試験場で行われる普通自動車運転免許試験の中の技能試験が免除され、「指定外自動車教習所」で練習しても運転免許試験場ですべての試験を受験しなければなりません。

ではどちらを選んだらよいでしょうか。自分の運転能力、経済力などを考慮して決めてください。

指定自動車教習所指定外自動車教習所
技能試験◎免除される×免除されない
料金×高い△安い場合もある
卒業の日数×最短でも約1ヶ月△決まっていない
信頼感〇安心×不安

「指定自動車教習所」は、いわば公認の教習所ですから警察の発行する運営指針に基づき運営され、カリキュラムも決まっています。

ですから、卒業するためには最低でも技能教習34時限、学科教習26時限を受けなければなりません(他に免許を持っていない人がマニュアル車の免許を取得する場合)。

自ずと出費も多くなります。これに比べて、「指定外自動車教習所」はほとんど制約がありませんから技能が上達すれば非常に短い時間で免許取得の可能性があるわけです。

つまり、少ない出費ですむこともあるのです。

しかし、全く運転経験が無く車に興味のなかった人が「指定外自動車教習所」を利用して「指定自動車教習所」より安くすんだ例はあまりないようです。

最悪の場合、どうしても試験に合格できず、改めて「指定自動車教習所」へ通い直すという例も多くあるようです。莫大な費用と時間が掛かってしまいます。

これは「指定外自動車教習所」で練習しても、運転免許試験場での技能試験が免除にならないためです。

もし、「指定外自動車教習所」を選ぶのであればリスクを覚悟しなければなりません。また、制約のない「指定外自動車教習所」は、その教習所によっ て全く違ったシステムをとっているのでよく調べることが大切です。

指定自動車教習所

AT車とMT車どちらにしたらよいか

まず、教習所を選ぶ前に、MT車(マニュアルトランスミッション車)免許にするのかAT車(オートマチックトランスミッション車)免許にするのかを決めておきましょう。

※普通免許には第一種免許と第二種免許(旅客運送用免許)があり、皆さんが、これから取得しようとしているのは普通第一種免許です。

この普通第一種免許の中に、AT車だけしか運転することのできない限定付き免許があります。

ですから、正式にはAT車免許というのはありません。ここで言うAT車免許とは、「普通車はAT車に限る」という限定付き普通第一種免許のことで、MT車免許とは限定無しの普通第一種免許のことです。

***MT車免許AT車免許
難易度難しい比較的易しい
最低教習時間技能34時限
学科26時限
技能31時限
学科26時限
MT車またはAT車
への途中移行
○できる→←できない X
教習期限9ヶ月
料金最低料金にはそれほどの差はないが
一般的にMT車の方が技能に時間が
掛かるだけ費用もかさむ
運転できる車MT車・AT車AT車のみ

※大型特殊免許、大型二輪免許、または普通二輪免許を持っている人は、大部分の学科教習が免除になります。

将来、車の運転に関する職業に就きたい人や、仕事で車を運転する可能性がある人は、間違いなくMT車免許を取得しておいた方がよいでしょう。

自動車にあまり興味がない人、MT車に乗る可能性のない人、身分証明書代わりに取得する人はAT車免許で十分でしょう。

MT車は難しいのでAT車の方がずっと負担が少なくてすみます。

特に、精神的な負担が少なくてすむのはメリットです。

MT車の教習を始めた後でも途中からAT車に移行する事はできます。

ただし、AT車からMT車への途中移行はできません。

AT車免許を取得した後に、指定自動車教習所で4時限以上の技能教習を受け、MT車免許の審査(限定解除)を受けることができます。

MT車に挑戦する人は、途中で投げ出さないように頑張りましょう。

合宿制の教習所は得か

教習所を選ぶ際、自宅から通える範囲で決めるのが通常ですが、泊まり込みで短期集中に教習を受け免許を取得するシステムの教習所があります。

いわゆる「合宿免許」です。メリットは、短期間で免許取得が可能なうえ、宿泊費込みでも低料金だということです。

宣伝文句に「最短18日・20万円より」などと書いてあるのをよく見ます。

地方によっても料金は違いますが東京の教習所を例にあげると最低料金で平均30万円を越えるぐらいです。

これに比べると、合宿免許は格段に低料金だといえるでしょう。

自分の住んでいる地域の教習所料金が高い場合、合宿免許は十分利用する価値があります。

ただし、気を付けなければならないのは、例えば「最短〇〇日・〇〇万円より」などと宣伝文句にあったとしても、入所料金や検定料金を含まない場合があり、実際は数万円多くかかることがあります。

また、必ずしも誰でもがその通りになるということではありません。

運転技能の修得が遅れれば追加教習や延長教習を受けなければならず、検定試験に不合格になれば補修教習も受けなければなりません

それに伴い、日数が増えるのは当然で料金も増える場合があります。

入所する前に、必ず資料をよく読み、疑問点は問い合わせましょう。

合宿免許を利用する場合以下のことに注意しましょう。

  • 少なくとも連続して1ヶ月以上の自由時間が必要です。(人によってはもっと必要)
  • 少なくとも最低料金の1.5倍は用意しておきましょう。
  • 卒業すると、試験場での技能試験が免除になるか必ず確かめましょう。
  • 低料金なので宿泊施設や食事もそれほど期待しないほうがよいでしょう。
  • 時期によって料金が違う場合があるので注意しましょう。
  • 運転経験のない人にとっては、かなりハードなスケジュールを覚悟しましょう。
  • なるべくその教習所を利用したことがある人に話を聞いてから行きましょう。

ただ安いからといって、安易な気持ちで合宿免許を利用すると失敗することがあります。

免許取得ができず、改めて自宅から通える教習所に通いなおして思わぬ出費と時間を無駄にした例は数多くあります。

無理なようなら、迷わず自宅から通える教習所を選んだ方がよいでしょう。

何を基準に選べばよいか

自宅から通う教習所を選ぶ際の絶対条件は2つです。

  1. 通える距離にあること。
  2. 混雑しすぎていないこと。

いくら、評判が良いとか料金が安いからといって、あまりに遠距離にある教習所を選び通いきれなくなってしまう人がいます。

1回や2回行くだけなら多少遠いところでも苦にはなりませんが、教習所は数ヶ月にわたり何十回と通わなければなりません。できるだけ近いところを選びましょう。

また、いくら評判が良いとか料金が安いからといって、あまりに混雑しすぎている教習所も考えものです。

2週間先の技能教習予約が取れない教習所が現実にありました。

例えば、月に2時限しか技能教習を受けられないと想定すると、卒業までに少なくとも17ヶ月も掛かる計算になります。

これでは、9ヶ月の教習終了期限も越えてしまい、全て無効になってしまいます。

現実には、混雑が緩和した頃に何とか卒業できるようですが、それでも途中でいやになりやめてしまった人もいたようです。

自分のライフスタイルとその教習所の状況を考慮して、少なくとも週に2時限以上の技能教習が受けられ、32時限の学科教習がスムーズにこなせるような選択をしましょう。

多少の料金の差や評判は、あまり重要視しない方がよいでしょう。

どんな教習所を選ぼうと、実際に教習を受けなければ免許は取得できないのです。

料金について

多少の料金の差は重要ではないといいましたが、もし同じ条件の教習所なら料金が安い方を選びたいと誰もが思うでしょう。

そこで、指定自動車教習所の料金構造について少し触れておきたいと思います。

料金が同じなら技能料金の安い方

指定自動車教習所の料金を大きく2つに分けると、入学金や学科教習料金などの固定された料金と、技能教習料金や検定料金などの回数によって増えていく料金に分かれます。

もし、最低料金の総額が同じ教習所があったとしたら、技能教習料金や検定料金が安い教習所を選択した方が結果的に出費を少なくすることになります。

特に技能教習は、追加教習や延長教習を受ける可能性が高いので時間が掛かれば掛かるほど差が出てくるからです。

料金の落とし穴

プラスアルファの料金を支払うことにより、優先的に技能教習予約が取れるコースを設けている教習所があります。

例えば、規定の料金に加えて7万円支払えば予約無しでいつでも乗車できるとか、5万円多く支払えば予め時間割を組んでくれるなどです。

教習所も企業ですから営業方針として悪いことではないし、多少の出費を問題にしない人にとっては良いサービスといえます。

しかし、よく考えてみますと限られた時間枠の中で優先的に予約を取れる人とそうでない人がいるわけですから、優先権を持った人が増えれば一般の人の時間枠が狭まり予約が取りづらくなります。

そして、予約が取りづらくなれば一般の人の中から料金を払って優先権を得ようとする人も出てくるでしょう。

そうすればさらに一般の人の時間枠は狭まることになるのです。

教習所側は何も経費を使うことなくプラスアルファの料金を徴収していればよいのですから利益を上げるのにはとても良い方法です。

いろいろなシステムがあれば利用者の選択肢も増えたいへん結構なことだとも思います。

ただし、これは利用者全体から見れば事実上の値上げと考えたほうがよいかもしれません。

みなさんは、どうお考えになりますか?

定料金制

一定の料金を支払えば、後はいくら時間が掛かっても追加料金を徴収しないコースを設けている教習所があります。

ネット回線にも固定料金制というのがありますが、それと同じと考えてよいでしょう。

ただ、これは多少料金が高めに設定されていることが多いので、最初から時間が掛かりそうだと思う人にお勧めです。

低料金で同じようなコースを設けている教習所を見たことがありますが、これは期間限定のキャンペーンだったりすることが多いようです。

評判の良い教習所とは

世間一般で、評判の良い教習所の条件は、第一に短時間で卒業でき、第二に親切であることのようです。

高額な料金を払い貴重な時間を使って教習所通いをするわけですから、誰もが求めることだと思います。

だからこそ、頭の隅に置いておいていただきたいのは、教育熱心な教習所より営業中心な教習所がの方が評判が良くなる場合があるということです。

営業中心の教習所は、安全運転を教えることよりも集客活動に重点を置いていますから、たとえ重要な事柄でも教習生が嫌がることは言いませんし、少しぐらい技能が未熟でも卒業させ、評判を上げようとします。

ですから、必ずしも評判の良い教習所が優秀な教習所とは限りません。

では、評判の良い教習所と悪い教習所、どちらを選べばよいのかと迷うところですが、どちらの教習所でも指定自動車教習所であれば最低限の教育内容は必ず維持しているはずですから、あまり、評判に惑わされない方がよいでしょう。

それでもやはり、快適に練習したいのは当然です。そこで、次のような調査をお勧めします。

  • 電話をかけてみて、応対がしっかりできているか確かめる。職員の電話応対が悪い教習所は、指導員も同じだと思って間違いありません。
  • 入所する前に必ず一度は足を運び、卒業までの技能教習平均時限数、混雑状況、営業時間などについて質問し、パンフレットをもらってくる。少なくとも週に2時限以上技能教習を受けられるようにしましょう。できれば、毎日練習できるのがベストです。
  • 教習を見学し、指導員の資質を観察する。教習所によって、雰囲気が違います。
  • その教習所に通ったことのある知人に話を聞く。これは、誰でも個人的な意見を言いますし、他の教習所と比較した意見も少ないでしょうから、参考程度にしましょう。

教習を始める時期はいつがよいか

教習を始める際は、できるだけ混み始める時期を避けた方がよいでしょう。

予約が取れなければ、せっかくのやる気も失せてしまいます。

年間を通しての混み具合を、以下のグラフに示してみました。

教習所によって、また、地方によって違いはありますが、概ねの傾向として見ておいてください。

2月、3月は学校が休みの関係から、特に混雑します。

できれば、この時期にかからないよう計画を立てましょう。

どうしてもこの時期という学生さんなどは、混雑を覚悟しましょう。

教習期限は、9ヶ月ですので、よく考えて決めてください。

また、実際の混み具合については、その教習所へ足を運んで調べてください。

他の教習所への転入

自動車教習所に通い始めてから卒業までは決して短い期間ではありません。

その間に、転勤や引っ越しといった様々な事情から、どうしてもその教習所に通いきれないことも起こります。

「こんなはずじゃなかった、でも仕方がない」と、諦めるのは早計です。

そういった場合、指定自動車教習所から指定自動車教習所へなら転校できますので、自分が通っている教習所に相談しましょう。
※一般的に一度払い込んだ料金は戻らないことが多いようです。また、転校先の教習所で改めて入学金を払うのが通常です。

運転免許試験場

運転免許試験場に普通自動車運転免許の試験を受けに行くと、適性試験を受けた後、学科試験と技能試験を受けることになります。

ただし、既に、ニ輪免許又は大型特殊免許を持っている人は学科試験が免除になり、指定自動車教習所を卒業した人は技能試験が免除になります。


指定自動車教習所卒業者

 ・受験日から1年以内の卒業証明書その他が必要

適性試験視力/片眼で0.3以上両眼で0.7以上 ( 眼鏡などの使用も可)
赤・青・黄の識別ができること
片眼の視力が0.3に満たない人や片眼が見えない人は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上であること
聴力/普通の会話ができる程度
学科試験択一式または正誤式の筆記試験で、90点以上正解が合格基準
(ニ輪免許または大型特殊免許を持っている人は免除)
技能試験免除

直接受験者

 ・仮免許を取得してから本免許試験を受ける

<仮免許試験>

適性試験視力/片眼で0.3以上両眼で0.7以上 ( 眼鏡などの使用も可)
赤・青・黄の識別ができること
片眼の視力が0.3に満たない人や片眼が見えない人は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上であること
聴力/普通の会話ができる程度
※身体に障害がある方でも程度によっては受験できますので問い合わせてみてください
学科試験択一式または正誤式の筆記試験で、90点以上正解が合格基準
(ニ輪免許または大型特殊免許を持っている人は免除)
技能試験(1)運転装置を操作する能力
(2)交通法規に従って運転する能力
(3)運転姿勢その他安全運転能力
上記について70点以上の成績が合格基準


<本免許試験>

適性試験視力/片眼で0.3以上両眼で0.7以上 ( 眼鏡などの使用も可)
赤・青・黄の識別ができること
片眼の視力が0.3に満たない人や片眼が見えない人は、
他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上であること
聴力/普通の会話ができる程度
学科試験択一式または正誤式の筆記試験で、90点以上正解が合格基準
(ニ輪免許または大型特殊免許を持っている人は免除)
技能試験(1)運転装置を操作する能力
(2)交通法規に従って運転する能力
(3)運転姿勢その他安全運転能力
上記について70点以上の成績が合格基準

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